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就労継続支援B型の工賃、生産活動収入から支払っていますか?|運営指導で指摘されやすいポイントと対策

  • 投稿:2026年10月28日
就労継続支援B型の工賃、生産活動収入から支払っていますか?|運営指導で指摘されやすいポイントと対策

就労継続支援B型事業所の運営指導で厳しく確認される「工賃の取扱い」について解説する記事です。指定基準では「生産活動収入から必要経費を差し引いた額が工賃の原資になる」と定められています。記事では、このルールに加えて、平均工賃月額3,000円以上の要件、工賃の目標水準の設定と利用者への周知、都道府県への実績報告といった基本の決まりを整理しています。給付費を工賃に充てられない理由と、就労支援事業会計処理基準に基づく会計の区分も説明します。そのうえで、経費を差し引かずに売上をそのまま工賃にしている、基本報酬の区分を上げるために給付費で工賃を上乗せしている、会計区分が混ざっている、といった指摘されやすい例を取り上げます。毎月の収支から工賃を計算する流れや、共通経費の按分の根拠の残し方など、すぐに使える対策も紹介します。

就労継続支援B型の工賃に関する基本ルール

就労継続支援B型の指定基準では、生産活動による事業収入から、生産活動に必要な経費を差し引いた額に相当する金額を、工賃として利用者に支払わなければならないと定めています。つまり「生産活動収入 − 必要経費 = 工賃の原資」です。

工賃の平均月額は3,000円を下回ってはなりません。また、事業所は工賃の目標水準を決めて利用者に周知し、毎年、前年度の工賃の実績を都道府県に報告することも求められています。

工賃は生産活動で得た収入から支払うもののため、事業所の運営のために受け取っている給付費を工賃に充てることは、制度の趣旨に反し、認められていません。この原資を確認するために、就労継続支援B型の事業所では「就労支援事業会計処理基準」に基づいて、生産活動にかかわる会計を福祉事業の会計と分けて管理することが求められています。

運営指導では、利用者に支払う工賃のお金の出どころ(原資)と、会計処理について確認されます。

これに関連して、例えば札幌市では令和9年4月1日から条例を遵守しない場合に指定の更新を認めないとしており、今後はますます厳しく確認されることが予想されます。

運営指導で指摘されやすいポイントと具体的な対策

よくある指摘の一つが、事業収入から必要経費を差し引かずに工賃を支払っているケースです。たとえば、売上をそのまま工賃として配ってしまい、材料費や外注費などの経費を給付費から払っている状態です。この場合、実質的に給付費が工賃の原資になっていると判断されます。毎月、生産活動収入と必要経費を確定させ、その差額の範囲で工賃を計算する流れを徹底しましょう。

給付費を工賃の原資に充てているという指摘は、さらに深刻です。就労継続支援B型の基本報酬は平均工賃月額によって区分が決まるため、平均工賃月額が高い方が基本報酬の区分が上がるからと、給付費で工賃を上乗せするケースが見られます。

これは基準に反するだけでなく、報酬区分の算定根拠そのものが不適切になるため、報酬の返還につながるおそれもあります。工賃の向上は、作業の受注単価の見直しや販路の開拓など、生産活動そのものを改善することで取り組む必要があります。

会計区分が混ざっていることもよく指摘されます。就労支援事業会計とそれ以外の会計が分かれていないと、工賃の原資が正しいかを確認できません。勘定科目を分け、人件費や家賃などの共通経費は合理的な基準で按分し、その根拠を残しておきましょう。そのためには、就労支援事業会計を正しく理解していることが大切です。

また、生産活動収入が減ったときに工賃を下げる場合は、利用者への説明や工賃規程との整合性に注意しましょう。

まとめ

就労継続支援B型の工賃の原資は「生産活動収入から必要経費を差し引いたもの」であり、給付費を充てることは認められません。就労支援事業会計を正しく区分し、毎月の収支から工賃を計算する流れを整えることが、運営指導対策の基本です。

工賃の取扱いは、基本報酬の区分や指定更新にも影響しかねない重要な項目です。まずは直近の決算書と工賃の支払い実績を見比べ、原資が生産活動の収支の範囲に収まっているかを確認してみてください。

会計処理に不安がある場合は、障害福祉の会計に詳しい税理士へのご相談をおすすめします。

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