行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所の運営指導で重点的に確認される「人員配置基準」を解説する記事です。人員配置基準の考え方と人員欠如減算の仕組み(1割を超える不足は翌月から、1割以内の不足は翌々月から減算。最初の2か月は70%、3か月目以降は50%)について説明します。そのうえで、勤務形態一覧表を予定しか作っていない、基準人員が足りていないといった指摘されやすい例を取り上げます。具体的な対策も紹介します。
指定基準では、サービスごとに管理者、サービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)、生活支援員や児童指導員など職員の配置とその必要な人数について定められています。
人員配置基準はサービスによって異なりますが、基本的に多くのサービスでは前年度の平均利用者数によって決まり、児童系のサービスでは定員の規模によって決まります。基準人員を満たさない場合は、減算の対象になります。
直接支援職員が足りない場合の「サービス提供職員欠如減算」では、必要な人数から1割を超えて不足したときはその翌月から、1割の範囲内で不足したときはその翌々月から、解消するまで減算されます。
減算が始まってから最初の2か月は30%、3か月以上続くと50%の減算になり、事業所の経営に大きな影響を及ぼします。
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が足りない場合の「サービス管理責任者欠如減算」(児童系は「児童発達支援管理責任者欠如減算」)は、欠如した月の翌々月から減算されます。
減算が始まってから4か月目までは30%、5か月目以降は50%の減算となります。
さらに、児童指導員等加配加算などを算定している事業所の場合、基準人員の一時的な不足などで加配の職員が基準に回った結果、加配加算の要件を満たさなくなることもあります。
よくある指摘は、勤務形態一覧表を作っていない、または予定しか作っていないケースです。
勤務形態一覧表は、職員の職種、勤務形態(常勤・非常勤など)、日ごとの勤務時間を月ごとに一覧にしたものです。運営指導では、勤務の実績表が出勤簿(タイムカード)と合っているか確認されますので、毎月、勤務実績の一覧表を作って保存しておくようにしましょう。
次に多いのが、基準人員の理解が不十分なまま配置しているケースです。
必要な職員数を把握していなかったり、一定の資格を持っている職員を配置する必要があったが、配置した職員が実際には配置基準を満たす資格を持っていなかったため基準人員と認められず、結果として人員配置が足りていなかったというケースもあります。
児童指導員等加配加算など、加算の要件を満たしていないという指摘もあります。こうした加算は基準人員に加えて職員を配置したときに算定できるもののため、基準人員が足りない場合にはは算定することができません。
基準人員が足りないときに加配の職員を基準人員に回したことによって、結果的に加配加算の算定に必要な常勤換算数(時間数)を下回ってしまうケースもあり、そうなると加配加算の要件を満たさなくなります。
職員の退職や長期の休みがあったときは勤務形態一覧表を見直し、基準人員と加算要件の両方を満たしているか確認する必要があります。合わせて、職員ごとに資格や実務経験の根拠となる書類(資格証の写し、実務経験証明書など)が揃っているか確認しておきましょう。
人員配置は、報酬の土台となる最も重要な基準です。
毎月の勤務形態一覧表を実績で作り、基準人員と加算要件の両方を満たしているかを確認することを習慣にしましょう。職員の退職や休職など、人員配置に影響する出来事があったときは、すぐに計算し直すことが大切です。
人員配置の考え方はサービスの種類によって異なるため、判断に迷う場合は指定権者やリブレにご確認いただくことをおすすめします。
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