行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所の運営指導で、当日すぐに確認される「掲示義務」について解説する記事です。指定基準で掲示が求められる重要事項(運営規程の概要、従業者の勤務体制、協力医療機関など)に加えて、苦情解決の窓口や虐待の通報先など、利用者に知らせておくべき情報を整理しています。閲覧ファイルを置けば掲示に代えられる仕組みや、令和7年度から義務になった重要事項のウェブサイト掲載(情報公表システムでも対応できます)についても説明します。そのうえで、必須項目が抜けている、苦情解決や虐待防止の掲示物がない、利用者から見えない場所に貼っている、運営規程を変えたのに掲示が古いまま、といった指摘されやすい例を取り上げ、すぐに点検できる具体的な対策を紹介します。
掲示義務の内容指定基準では、事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力医療機関、その他利用申込者がサービスを選ぶのに役立つ重要事項を掲示するよう定めています。
また、苦情解決の窓口や手順、虐待防止の取り組み、虐待を見つけたときの通報先なども、利用者に知らせておくべき重要な情報です。なお、これらの書類をまとめたファイルなどを事業所に備え付け、誰でも自由に見られるようにしておけば、掲示に代えることができます。そのほかに指定通知書や、消防の指示があれば避難経路図も掲示しておくようにしましょう。
なお、介護分野では、重要事項を原則としてウェブサイト(法人のホームページのほか、情報公表システムへの掲載でも可)にも載せることが求められ、令和7年度から義務になっています。障害福祉サービス分野ではまだ義務化になっていませんが、将来的に同じような対応を求められることが考えられます。
運営指導で指摘されやすいポイントと具体的な対策よくある指摘は、必須項目の掲示漏れです。運営規程の概要は掲示していても、勤務体制や協力医療機関が抜けているケースが見られます。勤務体制は、職種ごとの人数や勤務時間が分かる形で掲示します。職員の氏名まで載せる必要はありません。
苦情解決窓口や虐待防止の掲示物がないという指摘もあります。苦情解決については、事業所の苦情受付担当者と解決責任者、都道府県の運営適正化委員会などの窓口を掲示しましょう。虐待の通報先は、事業所がある市区町村だけでなく、利用者の支給決定を行った市区町村の窓口も一覧にして載せておくのが望ましい対応です。
掲示場所が適切でないケースも指摘を受けます。事務室の中や職員しか入らない場所に掲示していても、利用者が自由に見られなければ掲示したことになりません。玄関、待合スペース、相談室など、利用者や家族の目に入りやすい場所を選びましょう。
壁のスペースが足りない場合は「閲覧ファイル」を作り、誰でも手に取れる場所に置いて、その旨を表示しておくと安心です。
また、運営規程を変えたのに掲示が古いままになっているケースもよく見られます。変更届を出したときや職員体制が変わったときに、掲示物も更新するというルールにしておきましょう。
まとめ掲示物は、指定権者の担当者が運営指導の当日、事業所に入ってすぐ目に入るもののため、指摘を受けやすい項目です。
運営規程の概要、勤務体制、協力医療機関、苦情解決窓口、虐待の通報先などが、利用者の見やすい場所に、最新の内容で掲示されているかを点検しましょう。
まずは事業所の玄関に立ち、利用者の目線で掲示物を見直してみることから始めてみてください。
全ての書類を壁にみっちり貼っている事業所もありますが、天井近くまで掲示物が貼ってあると読みづらいので、適宜ファイリングして閲覧可能な状態にしておきましょう。
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