行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所の運営指導で確認される「重要事項説明書(重説)」について解説する記事です。指定基準で決められている、サービス開始前の文書の交付、障害の特性に配慮した説明、同意の取得という基本ルールを整理しています。あわせて、営業日や利用料、苦情解決の体制、虐待防止の措置、非常災害対策、第三者評価の実施状況など、記載が必要な主な項目も紹介します。そのうえで、必須項目が抜けている、古いひな形を使い続けている、運営規程と内容が食い違っている、複数のサービスを一つの重説で済ませている、内容を変えたのに再説明と同意の取り直しをしていない、といった指摘されやすい例を取り上げます。運営規程・掲示物とまとめて管理する具体的な方法も解説します。
指定基準では、サービスの提供を始める際に、利用申込者が障害の特性に応じて理解しやすいよう配慮しながら、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、その他の重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得なければならないと定められています。
この文書が重要事項説明書(重説)であり、重要事項説明書は、サービスの利用を始める前に、利用者やその家族に事業所の大切な情報を説明することで利用者とのトラブルを防ぐ役割もあり、運営指導では記載内容と説明・同意の手続きがされているか必ず確認されます。
重要事項説明書に記載する主な項目は、以下の通りです。
重要事項説明書は、運営規程の内容を利用者向けに説明するものです。そのため、両者の内容は一致している必要があります。説明と同意の記録は、署名をもらうなどして残しておきましょう。
利用者の同意があれば、電子的な方法で交付し、同意を得ることも認められています。
よくある指摘は、必須項目の記載漏れです。特に、第三者評価の実施状況、苦情解決窓口の記載が抜けているケースが多く見られます。苦情解決窓口については、事業所の担当者だけでなく、市区町村や指定権者、都道府県の運営適正化委員会など外部の窓口も書いておきましょう。
基準の改正で項目が追加されることもあるため、古いひな形をそのまま使い続けていないか確認が必要です。
次に多いのが、運営規程との不整合です。運営規程を変更(定員や営業時間など)したのに重説は古いままだったり、運営規程と重要事項説明書で職員の人数や利用料が違ったりといったケースです。運営規程を変えるときは重説も必ず一緒に見直し、両方の改定日をそろえて管理するようにしましょう。あわせて、事業所の掲示物に載せている重要事項も同じ内容に更新します。
複数のサービスを運営している事業所では、サービスごとに必要な項目が違うにもかかわらず、一つの重要事項説明書で済ませているケースも見られます。サービス別に作り、共通する事項と個別の事項を分かりやすく整理しましょう。
また、内容を変更したのに利用者への再説明と同意の手続きをしていないという指摘もあります。利用料や営業時間など、利用者に影響する重要な変更があったときは、すべての利用者に改めて説明し、同意を得るようにしてください。
報酬改定があるとそれに伴って利用料金も変わってきますので、そのタイミングでは必ず見直す必要があります。
重要事項説明書は、利用者に事業所の大切な情報を伝え、トラブルを防ぐための書類です。必須項目がそろっているか、運営規程と内容が一致しているかを定期的に確認するようにしましょう。
事業所で作成された重要事項説明書を確認させていただくと、ほとんど全ての事業所で少なくともどこか一箇所は運営規程と整合性が取れていない箇所があります。
まずは運営規程と重要事項説明書を並べて読み比べ、食い違っている箇所がないか点検してみてください。
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