
行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所で送迎業務を行う際、運転手をボランティアに依頼しても問題ないのか?という疑問に対し、札幌市の見解をもとに解説します。責任の所在や体制づくり、保険や教育体制など、ボランティア運転手を活用する際の注意点を詳しく紹介します。
送迎サービスを提供する障害福祉サービス事業所にとって、運転手の確保や雇用にかかる人件費は大きなポイントとなります。
そこで、「送迎業務のみを行う運転手について、ボランティアの方へ依頼することは問題ないのか?」という疑問について解説します。
結論から言えば、送迎業務のみを担当する運転手であっても、 事業所がその業務について責任を持つことが明確であれば、ボランティアの方に運転手を依頼することは原則として問題ありません。
(注:札幌市から得た回答であり、他では異なる取り扱いをする可能性がございます。)
ここで重要なのは「責任の所在」です。
すなわち、万が一事故やトラブルが発生した場合に、事業所としてしっかりと対応する体制が整っていることが求められます。
ボランティアであっても、利用者やそのご家族、関係者からは正社員なのかボランティアなのかは分かりませんので、事業所で雇用している職員と同じように見られることに注意しましょう。
※送迎については人員配置を求められるものではないということもあり直接的な雇用である必要はないという理屈があります。逆に、人員配置が必要な職種ではボランティア人員の配置では認められないということになりますので注意が必要です。
ボランティアで運転手を依頼する際には、次のような点に注意しておきましょう。
・事業所が責任を持って対応できる体制を整えておくこと
・送迎業務に関するマニュアルを整備しておくこと
・緊急時の連絡体制を構築しておくこと
・保険の加入状況を確認すること
万が一の事故に備えて、自動車保険やボランティア保険の加入状況を確認し、必要に応じて追加加入も検討しましょう。
また、ボランティアであっても、事業所の一員として責任ある行動ができるように教育することも大切です。
・ボランティアの運転手にも十分な説明、研修を行うこと
・利用者の情報や送迎ルール、注意事項などを事前にしっかり伝えておくこと
これらのことに気をつけておくことで、事故やトラブルの防止につながります。
送迎業務にボランティアの方を運転手として依頼すること自体は、事業所が責任を明確にしたうえで実施するのであれば、特に問題はありません。
しかし、万全の体制と丁寧な対応を心がけることが大切です。
ボランティアの方も上手く活用しながら、安心・安全な送迎サービスを目指しましょう。
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