
行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所での「食事提供体制加算」に関する疑問点を分かりやすく解説します。食事代を一律0円にできない理由や、利用者ごとの負担額の考え方を整理し、事業所運営に役立つ情報をまとめました。
障害福祉サービス事業所では、利用者の方に食事を提供しているところが多いかと思います。
そのなかで「食事提供体制加算」を算定している事業所も多いと思いますが、その場合に全員の食事代を0円にしてもいいか、費用はどのくらいにしたらいいかなどのご相談が寄せられることがあります。
今回はその疑問にお答えします。
はじめに結論からお伝えしますと、 食事提供体制加算を算定している場合、利用者全員の食事代を一律で0円に設定することはできません。
その理由について、分かりやすく説明します。
食事提供体制加算は、事業所が食事を提供できる体制を整えていることに対して評価される加算です。
この加算は主に、調理や配膳などを担当するスタッフの人件費部分を補う目的で支払われています。
食事を提供するには、「食材費」と「人件費」が主な費用としてかかります。
食材費…ご飯やおかずの材料、調味料など実際の食材にかかる費用
人件費…調理や配膳、片付けなどに携わるスタッフの賃金
このうち、食事提供体制加算は人件費相当分を加算としてもらえる仕組みです。
そのため、加算の対象となる利用者の方でも、食材費は負担していただくことが基本となります。
※30単位相当分の差額となるように、という部分については指定権者により判断の差がある場合がございますので、ご留意くださいませ。
「全員に0円で食事を提供できたらいいのに」と思うこともあるかもしれません。
しかし、加算を受けていない利用者の方と、加算を受けている利用者の方の間には食事提供体制加算分程度の料金の差を設けることが制度上求められています。
つまり、 加算対象の方は「食材費のみ」 加算対象外の方は「食材費+人件費」 というように、負担額に違いを設けなくてはなりません。
全員を一律0円にしてしまうと、この差がなくなり、制度の趣旨から外れてしまいます。
そのため、全員の食事代を0円にはできないことになります。
不安な場合や分からないことがある場合は、指定権者にご相談いただくことをおすすめします。
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事業所の所在する地域や時間の経過により、状況が変化する場合もございます。
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