
行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[障害者向けサービス]
障害福祉サービス事業所では利用者送迎が欠かせない業務ですが、役職ごとに対応可能か、勤務時間として常勤換算に含められるのかは運営上の大きな課題です。本記事では、管理者・サービス管理責任者・賃金向上達成指導員・目標工賃達成指導員の送迎業務に関する注意点を整理し、現場運営で押さえておきたいポイントを解説します。
障害福祉サービス事業所では、利用者の送迎は日常的な重要業務のひとつです。
しかし、「誰が送迎を担当できるのか?」「送迎時間は常勤換算に含められるのか?」といった点について、現場で悩まれる方も多いのではないでしょうか。
今回は、管理者・サービス管理責任者・賃金向上達成指導員・目標工賃達成指導員といった役職者の送迎業務について、ポイントをまとめてご紹介します。
目次
まず、管理者・サービス管理責任者・賃金向上達成指導員・目標工賃達成指導員、いずれの職種であっても、利用者の送迎を行うこと自体は禁止されていません。
現場の人員体制や業務の流れに応じて、臨機応変に対応することが可能です。
送迎時間を職員の「常勤換算」に含められるかどうかは注意が必要です。
生活支援員など、事業所ごとに配置が義務付けられている職種の場合には、送迎業務との兼務も認められています。
ただし、送迎時間を常勤換算に含めるには条件があります。
例えば、
・送迎時に利用者の乗降の支援を行っている場合
・送迎車両に添乗員として同乗し、支援を行っている場合
など、実際に支援を行っている場合に限られます。
単に運転をしているだけでは、常勤換算の勤務時間には含めることができませんのでご注意ください。
また、勤務表上でも介助業務・送迎業務の時間を明確に区分、記載し、生活支援員等の時間を明確にすることが必要です。
管理者やサービス管理責任者も、一定の条件下で送迎業務に従事することは可能です。
ただし、特にサービス管理責任者については、業務の性質上、送迎のためにサービス提供時間中に事業所を不在にすることが常態化するのは望ましくありません。
管理者についても、管理業務に支障がない範囲であれば送迎は可能です。
なお、管理者・サービス管理責任者が送迎時に利用者の乗降介助などを行った場合は、その時間を常勤換算に含めることができます。
賃金向上達成指導員や目標工賃達成指導員は、加算に係る職種です。
このため、送迎業務を行うこと自体は問題ありませんが、その送迎時間は常勤換算には含めることができません。この点も現場運営では押さえておきたいポイントです。
障害福祉サービス事業所での送迎業務は、職員配置や勤務時間の取り扱いに細かな注意点が多くあります。
利用者の安全確保とサービスの質向上のためにも、自事業所の体制や業務分担を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
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