行政書士
安田 大祐
リブレグループ(行政書士法人リブレ/社会保険労務士法人リブレ/株式会社リブレキューズ)代表。北海道大学教育学部卒業後、医療法人での勤務を経て独立。障害福祉サービス事業所の立ち上げ支援や運営支援を専門としている。趣味は音楽活動や海外バックパッカー旅行。「人生一度、やりたいことをやる!」をモットーに挑戦を続けている。
[開業ガイド]
この記事では、就労継続支援B型の開業に必要不可欠な事業所の物件選定について、その難しさやつまずきがちなポイント、対応策についてわかりやすくお伝えします。
6月、中島さんの物件探しは難航していました。
条件に合う物件がまったく見つかりません……。
相談者
中島さん(仮)
いま、どんな条件で探していますか?
行政書士
安田大祐
市内の中心部で、駅から徒歩5分以内、1階、100平米以上、家賃20万円以内、きれいなところがいいので、築10年以内の……
相談者
中島さん(仮)
条件を市内全域、80平米以上、家賃25万円以内、2階まで広げてみるのはどうでしょうか?
行政書士
安田大祐
駅から徒歩5分以内じゃなくても利用者は集まりますか?
相談者
中島さん(仮)
就労継続支援B型は、利用者さんの送迎をすることも多いです。駅からの距離より、作業環境の良さや開業時の固定費を極力抑える方を優先したほうがよいかもしれません。
以前サポートした事業所で、駅から徒歩20分の物件がありました。最初は心配されていましたが、送迎を充実させたところ、むしろ『静かで作業に集中できる』と利用者さんから好評だったそうですよ。
いい物件が見つかったら、住所を教えてください。都市計画法上、開設に問題ない場所かお調べします。また、消防署に平面図などを持って行って、必要な消防設備を確認してきてください。B市の障害福祉課には、私から確認を入れます。詳しいことは、その都度またお伝えします。
行政書士
安田大祐
条件を広げたことが功を奏し、後日、中島さんの条件にも、就労継続支援B型としての要件にも合う物件が見つかりました。
賃貸借契約書の使用用途は、必ず『事業用(障害福祉サービス)』にしてもらってください。 契約者名義は『株式会社わくわくステップ』でお願いします。個人名義ではなく、法人名義の契約であることが必要です。
契約開始日は、内装工事と消防設備の設置期間を考慮して早めに設定しましょう。
行政書士
安田大祐
中島さんは契約を締結し、6月末に物件が確定しました。
中島さん、大きな山を越えましたね。
行政書士
安田大祐
はい。最初は駅近にこだわっていましたが、条件を広げて良かったです。
相談者
中島さん(仮)
物件探しで失敗する人は本当に多いんです。
早い段階でご相談いただき、条件を広げていただけてよかったです。
行政書士
安田大祐
事業所の物件が決まったら、指定申請に必要な書類の準備をしつつ、スタッフの採用と内装工事の段階に進んでいきます。
物件探しにおいては中島さんのように、駅から徒歩5分以内、家賃20万円以内、築浅など、理想を追いかけすぎて時間を浪費してしまったり、物件を他の人に取られたくないからと焦って必要な確認を怠ってしまったり、不動産屋に契約を急かされたりして不適切な物件を選んで契約してしまうことがあります。
これは、非常に多くの開業希望者が陥るパターンです。
せっかく事業所を立ち上げるのだから、条件にこだわりたいという気持ちはとてもよく分かります。
しかしながら、就労継続支援B型を始めとする障害福祉サービスでは、条件面以外にも下記のような押さえるべきポイントがいくつかあり、必然的に開業することができる物件は限られてきます。
そのため、物件が気に入っても都市計画法や建築基準法、消防法などの関係法令で引っかかってしまうことや、オーナーや近隣住民の了承を得られないことなどが考えられます。
その場合、希望の開設時期を優先して条件を広げるのか、理想の物件に出会うことを優先して待つのかは開業希望者の判断になりますが、資金面などを考慮して、理想の物件が出てくるのを待たずに開設することを優先することが良い場合もあります。
また、関係法令遵守の観点から、就労継続支援B型を開業するのに適した物件かどうかの確認を行うためには、私達リブレだけでなく建築士や消防業者の協力も得る必要があります。
契約した後で後悔しないよう、物件の要件確認についてもサポートしていきますのでご安心ください。
ここまで、事業所の物件探しについて必要な条件やつまずきがちなポイント、対応策などについて解説してきました。
今回の事例では、条件を広げたことですぐに物件が見つかりましたが、物件探しに苦労される方は非常に多く、場合によっては半年、一年とかかる場合もあり、ここで挫折してしまう方もいらっしゃるほどです。
根気強くお探しいただくことで物件が見つかるケースもありますので、開業を決意された方にはなんとか踏ん張っていただきたいところです。
次回は、指定申請に必要な書類についてご紹介します。
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