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[開業ガイド]

【障害福祉サービス開業ガイド:第2話】ビジネスとしての就労継続支援B型—実際の市場を知る

  • 投稿:2025年12月28日
【障害福祉サービス開業ガイド:第2話】ビジネスとしての就労継続支援B型—実際の市場を知る

この記事では、就労継続支援B型の開業・運営を考えるうえでは欠かせない、就労継続支援B型のビジネスモデルや市場についてわかりやすく説明しています。

初回面談から数日後

就労継続支援B型について、もっと詳しく知りたいんです。本当に自分にできるのか、不安になってきて……

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

初回のご相談のあと、やることの多さや制度への不安でいっぱいになってしまうというのはよくあることなんです。改めて打ち合わせをしましょう。

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

不安な気持ちをお話ししてくださった中島さんと、改めて打ち合わせをさせていただくことになりました。

まず、就労継続支援B型の市場動向からお話しします。需要は確実にありますが、参入の難易度は決して低くありません。法人設立、物件確保、人材採用、指定申請……それぞれに高いハードルがあります。
そして、開業後は『工賃をいくら支払えるか』が事業所の評価となります。平均工賃は前年度より大きく上昇していますが、工賃は地域や事業所によって大きく差があります。

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

競合の状況はどうですか?

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

中島さんが開業を希望しているB市では、既に10事業所ほどあります。
ただし、作業内容や支援の質で差別化できれば、十分に参入の余地はあるはずです。
中島さんの立ち上げようとする事業所の強みは何ですか?他の事業所と、何が違いますか?

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

私は食品工場で約20年働いてきました。
品質管理も、作業効率化も、取引先との交渉も経験してきました。
この経験を活かして、質の高い製品を作れる事業所にしたいんです。
パンやクッキーなどの焼き菓子を作って販売したいと考えています。原材料にこだわり、品質を徹底管理して、『福祉事業所が作ったから買う』ではなく、『美味しいから買う』と言われる製品を作りたいんです。

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

その差別化戦略があれば、十分に戦えると思います!ただし、現実も見ておく必要があります。開業後1年以内に閉鎖する事業所もあります。主な理由は、利用者が集まらない、工賃を支払えない、資金繰りが続かないなどです。
開業資金はどのくらい用意されていますか?

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

貯金が1,000万円ほどあります。

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

わかりました。初期費用として、物件の敷金・礼金、内装工事、設備の購入費用、そして、運転資金として最低でも6ヶ月分、できれば1年分を確保しておきたいところですね。 収支のシミュレーションをお渡しします。定員20名、平均稼働率70%、基本報酬と加算で月の報酬収入が約200万円ほど見込めます。ここから人件費、家賃、光熱費、材料費などの費用を差し引いていきます。単月黒字になるまで、半年から1年はかかると考えてください。

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

最初は赤字が続くんですね。

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

はい。だからこそ、運転資金の確保が重要です。日本政策金融公庫の創業融資も組み合わせて乗り切っていくのがいいと思います。
情熱だけでは続けられません。でも、情熱がなければ始められません。

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

やります。覚悟を決めました。

相談者中島さん(仮)

相談者
中島さん(仮)

わかりました。では、次は具体的な事業形態を決めていきましょう。

行政書士安田大祐

行政書士
安田大祐

就労継続支援B型の現実や自分の強みを確認し、開業の意志を固めた中島さん。

いよいよ、本格的な開業支援が始まります。

解説

障害福祉サービスの開業においては、地域のニーズ把握(利用者が集まるかの確認)、総量規制(市区町村が新規の開設を制限していること)の状況、収支のシミュレーション(報酬が入るのは最短で開業の2か月後というビジネスモデルです)など、事前によくご理解・ご検討いただきたいことが多くあります。

例として、先ほどの会話の場面をより詳しくお話ししますと、厚生労働省のデータによると、就労継続支援B型の事業所数は全国で約1万5千事業所(※令和4年10月時点)、利用者数は約40万人(※令和4年9月時点)に上ります。
需要は確実にあるといえますが、事業所数も増えていることで、利用者獲得に苦戦する事業所も少なくありません。また、需要が見込めても、参入の難易度は決して低くありません。法人設立、物件確保、人材採用、指定申請それぞれに高いハードルがあります。
そして何より、開業後は『工賃をいくら支払えるか』が事業所の評価を左右します。基本報酬(事業所の収入)にも大きく影響します。
就労継続支援B型事業所の平均工賃は全国平均で月額2万3千円程度(※令和5年度)と、前年度より大きく上昇しています。しかし、工賃は地域や事業所によって大きく差があり、高いところは月3万円以上、低いところは数千円ということもあるのが現実です。

ご相談では、このように厳しいこともお伝えさせていただいています。

また、福祉のサービスという特性上、もし万が一にでも事業所を廃止することになってしまったら、利用者の居場所がなくなってしまうことになりかねません。そのため、できる限り長く事業を続けていく体力(情熱も、資金繰りも)が求められます。

どのような事業所を作り、どのように運営を続けていくかをしっかり固めることが、準備段階ではとても重要なことです。

まとめ

初回面談で全体像を知り、その複雑さに圧倒されて不安になったり、ここで挫折する人も少なくありません。

リブレでは、ご状況に応じて改めて打ち合わせを組ませていただきます。
疑問点や不安点を解消したうえで、実際に開業に向けてスタートを切るのかご判断いただきたいと考えています。

また、リブレはむやみに開業を勧めるのではなく、事業の現実や事業運営の難しい面なども正直にお話しさせていただきます。

そのうえで、例えば、開業はしたいけれど予算的に懸念がある……などの要因がある場合は、資金繰りについて対策を練ったり融資についてご提案させていただくなど、夢に向かってできることを一緒に考えていきますので、ご安心ください。

次回は、中島さんがどのように法人格(会社の種類)を決定して、法人を設立したかをご紹介します。

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